Takashi Nagai
とっても簡単!仕事が忙しくなくなる3つの方法
私は以前、都内で住むところを探してました。とても気に入った物件があり、不動産屋と契約手続きを進めていたのですが、不動産屋の担当者がまったく仕事をしてくれなくて、とても困りました。
こちらは直ぐにでも契約したいのに、なかなか契約書が送られてこなくて、電話をかけたら、「すみませんね、今とっても忙しくて・・・直ぐに送ります。」
それから1週間経っても送られてこないので、また電話したところ、「本当にごめんなさいね、忙しくて忙しくて、手が回らないんで猫の手も借りたいくらいです。どうしてこんなに忙しいんですかね? 毎日目が回るような忙しさなんですよ。だからお客さんの契約書もついつい忘れ、あ、いや、あと回しになっちゃって、ほんとにすみませんね。今日必ず送ります。」
本当にすまないと思っているのかははなはだ疑問ですが、この担当者にとって、私の契約書のプライオリティーがとても下がっていたと言うことは容易に想像がつきました。しかもこの担当者は、事あるごとに「忙しい」を連発して、ほとんど口ぐせになってました。
顧客である私から見るとこの担当者は、「仕事ができない人」というレッテルを貼らざるを得ません。
では、この担当者は、なにが悪いのでしょうか? なぜこんなにも忙しいのでしょうか?
仕事ができない3つの理由
やるべき仕事が明確になっていない
この担当者は、自分が抱えている仕事を漠然としか把握していないため、思いついたことや、人から言われたことを優先してやってしまいます。
仕事には、今やるべものと後でやっても構わないものがあります。
この担当者はそれらの仕事の整理がついていないので、目先の仕事しか見えておらず、その先が漠然としているために、すごくたくさんの仕事が溜まっているように見えるので、「忙しい」と思ってしまっています。
仕事の優先順位がつけられていない
仕事を明確に分けて考えられていないので、仕事に優先順位がつけられていません。なので、楽にできる仕事ややりたい仕事をやってしまいます。その担当者にとって仕事のプライオリティは関係ありません。
そんなことない、プライオリティは考えてやっていると言うでしょうが、でも、仕事がたくさんあってどこから手をつければ良いのかわからない、とも思っているのではないでしょうか。
重要度を意識していない
仕事の優先順位を決めるにあたって、最も大事なのが重要度です。2つの仕事を比較したときに、どちらが重要かは必ず決められます。でも、それが決められない人が結構います。なおかつ重要度を明確に意識していないので、対応を後回しにしてしまい、催促されて慌ててやる羽目になります。
これらの理由により、「忙しい」と思えるようになっています。
だれだって、忙しいのはいやですよね? 仕事ができる人になりたいですよね? ではどうすれば良いのでしょうか?
忙しくなく仕事ができるようになる3つの方法
実はとっても簡単です。以下の3つを実行すれば良いのです。
仕事をタスクに分けるタスクにプライオリティをつけるプライオリティの順番にタスクをこなしていく
これら3つは、今すぐ簡単にできることです。
以下のそのやり方をお話しします。
仕事をタスクに分ける
まず仕事を、ある程度のかたまりにして扱う必要があります。 冒頭の話だと、「志村さんの賃貸契約」というかたまりになります。 でもこれだとまだタスクにはなっていません。
タスクとは、認識できる作業の単位です。 タスクが集まって仕事のかたまりになります。
タスクは以下の3つの要素があります。それをはっきりさせる必要があります。
行動できる具体的な作業があるゴールがある期限がある
では、「志村さんの賃貸契約」という仕事のかたまりを、タスクに分けてみましょう。 やらなければならないこととして、以下があります。
契約書を作成する志村さんに契約書を送る志村さんから契約書が送られてきたら大家さんに送る大家さんから契約書が送られてきたら志村さんに送る
これで要素の一つ「1.行動できる具体的な作業がある」をクリアしましたので、この4つをタスクとしましょう。
つぎにそれぞれのタスクのゴールを決めます。「a.契約書を作成する」のゴールは、契約書ですね。bのゴールは契約書送付、cのゴールは大家さんへ契約書送付、dのゴールは志村さんへ契約書送付ですね。
最後に期限を決めましょう。期限は日付で決めるのが良いです。期間ではなく完了日付です。「1週間でやる」のではなく、「11月2日までにやる」です。
より具体的にすることによって、現実味がわいて、やる気がでます。 期限が近づくと焦りも出てきます。
どうですか? ここでおさらいしましょう。
仕事をかたまりにする仕事のかたまりを、具体的な作業(タスク)に分割するタスクにゴールを設定するタスクに期限を設定する
簡単ですよね? では今すぐ、ご自分のお仕事をタスクに分けてみてください。
どうですか? わりとすんなりできたのではないですか?
プライオリティ付け
では次に、タスクにプライオリティをつけましょう。
プライオリティは優先順位です。これは、緊急度と重要度によって決まります。 なのでプライオリティを決めるためには、緊急度と重要度を見極めなければなりません。
まずは緊急度から考えましょう。 緊急度なんて、かっこいい言い方をしていますが、実態は期限です。期限が近ければ緊急度が高くなるだけです。
一方、重要度はやっかいです。緊急度は期限なので、日付と時間という絶対的な値が示されます。でも重要度は人によって度合いが違います。なので重要度は、より上位の人の立場で考える必要があります。決して自分の判断で重要度を決めてはいけません。指示者の立場になって考えてください。わからなければ指示者に聞いて下さい。
緊急度と重要度が合体してプライオリティが決まります。
タスクを出したら一覧にして、その一覧に緊急度と重要度を入れてください。5段階などで表現をすると良いでしょう。プライオリティは、緊急度と重要度を足した値にします。 そうして一覧を俯瞰してみると、何から手をつけなければならないかが見えてきます。
おめでとうございます! これでプライオリティが決まりました。
順番にタスクをこなしていく
ここまで来ればもう後はやるだけです。順番にタスクをこなしていきましょう。
作業着手のためのことは、ここまでの間に十分頭を使ったので、ここからは、作業そのものに頭を使ってください。
もしここで割り込みが入っても、基本的には今手を付けているタスクは止めずに終わらせてください。どうしてもタスクの途中で割り込みを優先しなければならない場合は、割り込みの作業が終わったら、間髪を入れずに途中で止めたタスクを再開して、終わらせてください。
「一つのことを終わるまで続ける」ことを常に意識してください。そうすることで、タスクの単位はどの程度が適切かがわかってきます。何日も続くタスクはもっと細かい単位のタスクに分けたほうがよさそうだと考えるようになります。
もうあなたは、仕事ができる人です。
まとめると、タスクには以下の3つの要素があります。
行動できる具体的な作業がある(ここでは「契約書を作って送る」です)ゴールがある(ゴール=達成できる目標です)期限がある(できるかぎり短い方が良いです)
仕事をこの単位にまとめて把握して、緊急度と優先度を加味してプライオリティを決定することにより、タスクを消化するたびに達成感と満足感が生まれ、なおかつタスクの消化率がわかるので、仕事を計画的に進めることができるようになります。
そうすればもうあなたは、忙しいなんて思わなくなります。
だって、あなたが持っている全てのタスクは、あなた自身が管理しているのですから、忙しくなるわけないですよね?
でも、1日は24時間しかなくて、働けるのは8時間です。1日のタスクの合計が20時間分もあったら、絶対にできないですよね? 実際は8時間でもできません。1日の作業時間は6時間程度で見積もるのが妥当なのです。
でも現実は甘くなくて、あなたに1日6時間以上のタスクが来たら、どうすれば良いでしょうか? 残業しますか? 断りますか? 人に振りますか? このあたりはまた別の機会に話しましょう。
いずれにしても、自分は忙しいと思っている方は、一度自分の全ての仕事を整理して、タスク化してみてください。
もしかして自分は、自分で思っているほど忙しくないのかも?
と思えるようになりますよ。
追伸
冒頭の不動産屋担当者は、「忙しい」を口癖のように言っていましたが、これは非常にまずいことです。口に出して言うと、「自分は忙しいんだ」と思い込んでしまいます。思い込みはなかなか消えませんので、負のスパイラルに入ってしまいます。「忙しい自分」から抜け出せなくなるのです。
おっと、大事なWOMSを忘れるところでした。
WOMSは、もちろんプライオリティをつけて業務指示を出すことができます。 でも、WOMSの画面を見ると、重要度はありますが緊急度はありません。緊急度は期限と一緒と前述しました。 WOMSの仕組みとして業務指示だと期限が必須になるので、緊急度は必要ないのです。 ということで、WOMSを使うと、業務指示のプライオリティが簡単に決められます。