Takashi Nagai
人はなぜ実行しないのか?
私は、WOMSという業務指示ツールを販売しているので、コミュニケーションや指示、実行というような言葉に敏感に反応してしまいます。
そんな私が、先日ネットでネタ探しをしていたら、とある資料が目にとまりました。
人は何故実行しないのか!
というタイトルの論文です。
この論文をたまたま見つけて読んでみたところ、とても興味深い内容だったので、このブログでご紹介しようと思いました。
なんと、過去3年以内に、指示を実行しなかっことがあると答えた人は、アンケートをとった161名中33名もいたそうです。20.5%、5人に1人ですね。
結構な割合だと思いませんか?
もしかすると、あなたも指示を実行しなかったことがあるのではないでしょうか?
私ですか? ・・・ご想像にお任せします。。
話を戻して、なぜ私がこの論文に興味を持ったのかというと、先日ある方から、業務指示ツールを導入したが、指示が実行されなくて困っている。というお話をお聞きしたからです。
この論文を見つけたときは、まさしくその方の悩みが解決できるものを見つけたと思いました。
ツールを導入するときは、それが活用できる環境を整えることがとても大切です。
この論文は、その環境を整えることのお手伝いができるのではないかと思ったのです。
論文概要
論文のリンクは以下です。
そんなに長いものではないので、ぜひ読んでみてください。
これは、一般財団法人リスクマネージメント協会様が掲載されています。
医療関係のグループがレポートしているもので、指示が実行されない原因を、「個人の側面」にフォーカスを当てて、なおかつ医療現場にとどまらず、すべての業種を対象にしてアンケート調査した結果の報告です。
結論からお伝えすると、
「部下も上司もそれぞれの立場を理解し、尊重し、組織の課題を十分に共有出来たとき、指示・命令は速やかに実行されるものであることが分かった。『共通理解と信頼』こそが『指示の実行の原点』であるといえよう。」
論文の言葉をそのまま引用させていただきました。
組織には上下関係があり、それぞれの立場でやることが違うので、考えることも違います。この論文では、役職を以下の3つに分けています。
経営者・役員部長・課長係長・主任・リーダー・一般職員
そして、それぞれの立場の人に同じ質問を投げています。
立場の違いが如実に表れていて、面白いです。
対象の業種は、
製造業金融・保険業サービス業学術研究専門・技術サービス業卸売・小売業医療・福祉
など、全部で15業種です。
アンケート結果(抜粋)
以下、アンケート結果で興味深かったものを、私の独断で抜粋して紹介します。
指示を実行しなかった理由
「理不尽で不適切な指示」が一番大きな理由だそうです。人は納得できないとなかなか動けないため、相手が納得できる指示を出す必要があるのだと思います。今の時代では、上司の指示は絶対!が通らなくなってきているのも事実です。
さらに、興味深かったのが、メールによる督促は「一方的でいらだたしい」と言う意見があったそうです。指示される側は、双方向のコミュニケーションを求めているようです。
指示を実行しなかった時の影響
業務影響は、半数以上が影響なしと回答したそうです。指示の半分以上は、どうでも良いものなのでしょうか? これは、指示の目的がきちんと伝わっていないために、指示の受け手が、やらなくても大きな影響がないという判断をしているのかもしれません。
すぐに実行したい指示
すぐに実行したい指示は、「厳しい期限ですぐにやらなければならないと感じたとき」が半数を占めていたそうです。
これは、回答者の皆さんが、チャレンジ精神が旺盛、、、ということではなく、 何かこれは、人間の本質に関わるもののような気もします。ですが、「理不尽で不適切な指示」は実行してもらえませんので、ただプレッシャーをかければ良いと言うわけではないですね。
どうすれば実行できるか
ここは立場(役職)によって考え方の違いが出てます。 それぞれの立場で以下の回答が得られています。
経営者・役員
方針を明確にする期限をつける進捗を管理する理由を説明するチームワークで取り組ませる
部長・課長
理由を説明する手順を伝えるコーチングする信頼する
係長・主任・リーダー・一般職員
理由を説明する進捗を管理する期限をつけるコーチングする
ここで私が興味深いと思ったのは、部長・課長に「期限」がないことです。直属上司は人にもよりますが、わりと期限を曖昧にしがちな気がします。ですが、担当者と経営者は明確な期限を求めている。と言うことです。指示を出すときは、期限は必須ですね。
部長・課長のみに「信頼する」とありますが、信頼していると称して、実はほったらかしにしている場合もあるのではないかと思います。
もう一つ、経営者と一般職員に「進捗を管理する」がありますが、立場によってこの意味は違うのではないかと思います。 経営者は一方的に管理して、期限間近になったら、「早く行うように」と催促するだけかもしれませんが、部下は適切なタイミングで適切な助言を求めているのだと思います。いわゆるコーチングですね。コーチングの必要性は、部長・課長も理解しています。ですが、実際に適切なコーチングができる人は少ない気がします。
私が思う結論
指示が確実に実行されるためには、共通理解と信頼が必要なのだと思います。
指示を出す側も実行する側も、同じ目的を持っています。顧客満足向上やコスト削減、売上向上などです。その目的に向かっていくために正しい指示だということが指示を出す側も受け取る側も十分に納得(共通理解)していれば、その指示は実行されると思います。なので、
指示を出すにいたった背景指示の目的、期日指示が達成された結果のイメージ
を明確にする必要があります。
それに加えて、指示する側と実行する側がお互いを信頼しあうように、
指示の手順説明実行フォロー(コーチング、進捗管理)
をきちんとすれば、すべての指示が100%実行されるようになると思います。
おわりに
ツールの導入だけでは解決できないものがあるのは当たり前のことですが、ツールを導入する目的が達成できないのは困ります。
もし私たちがあなたにWOMSを販売させて頂いても、その効果が十分に得られなければ、お互いが不幸になってしまいます。
私たちは、あなたやあなたの会社にWOMSをしっかり使いこなして欲しい、WOMSによって業務がスムーズに流れるようになって、コスト削減や売上の向上につなげて欲しい、そう思っています。
業務指示ツール WOMS の詳細は、以下をクリックしてください。