Takashi Nagai
売上アップに直結するシステムとは?
企業が通常おこなうシステム化の順番はそのほとんどが、経理や人事、販売管理などの基幹業務が最初です。一通りの基幹業務がシステム化されてから、業務に密着した現場業務のシステム化に手をつけ出します。
でも、基幹業務がシステム化されたら、あなたの会社の売上がアップするのでしょうか?
チェーンストアのシステム導入順序
複数の店舗を持つチェーンストアであれば、まずシステム化したいのはPOSです。何がどのくらい売れたかが一目瞭然ですし、各店の売上もリアルタイムにわかりますので、施策を即時に打つことができます。
次にシステム化するのはMDです。POSでたくさん売れたことがわかったら、その商品を即座に発注して店舗に納入しなければなりません。発注が間に合わなければ、他の店舗から商品を移動することもあります。そのためにはその商品がどこにどれだけ在庫があるかをリアルタイムで把握する必要があります。MDを導入してPOSと連携すれば商品在庫コントロールが即座にできます。
ひとまず売れる仕組みができていれば、その後に取り組む基幹システムは、経理や人事になります。しかし企業によっては経理の方がPOSやMDよりも先にシステム化してます。
基幹業務システムと業務に密着したシステム
基幹業務は全社的なものなので、その企業の特徴やビジネスモデルがシステムに反映されることはあまりありません。むしろ標準化されている方が、何かと都合がよいのです。経理システムはその最たるものです。国が決めた会計基準は会社によって変わることがありませんし、処理や計算の方法は変えようがありません。なのでパッケージ化がしやすく、様々なパッケージやクラウドサービスが出ています。
一方、業務に密着したシステムは、規模が小さいがゆえに多くの企業でないがしろにされています。全社的な効果も見込めないため、「全社システム導入時のおまけ」程度にしか扱われていません。
しかし私は、業務に密着したシステムの方が全社システムよりもコスト削減や売上アップに貢献すると思います。
業務に密着したシステムとはどんなもの?
業務に密着したシステムの多くが、従業員の時間削減を実現したり、販売機会を逃さないためにより直接的に関係しているのです。ちなみに従業員の時間削減は残業時間の削減のみならず、売上アップにもつながります。なぜならば時間削減により浮いた時間は、お客様対応に使えるからです。店長はバックヤードにいるよりも店頭で接客している方が良いです。
以下に、業務に密着したシステムが効果を出す具体的な例を2つ挙げます。
経費申請システム
たぶんあなたもお使いの経費申請システムは、業務に密着したシステムの代表格です。多くの企業は、このシステム単体での開発はあまりしません。開発規模が小さいので、単体で開発するのは非効率だからです。なので社内ポータル刷新時やグループウェア導入時に合わせて導入される場合が多いのです。
しかしこのシステムの効果は絶大です。今まで紙に書いて提出していたものが、オンラインで提出できるのです。インフラが整っていれば、出張中でも直ぐに申請できます。この経費申請システムの導入で、従業員の多くの時間が削減されています。
ただし、使いづらいけど仕方がないので使っている。と言うことをよく聞きます。これはせっかく良いシステムを入れても効果を十分に発揮できていないことになりますので、もしあなたの会社の経費申請システムが使いづらければ、今すぐ作り変えるべきです。
商品在庫管理システム
私は以前、アパレル系の会社向けの、商品在庫検索システムを開発したことがあります。これも現場に密着したシステムです。
iPadで商品のバーコードを読み込むと、同じ商品のサイズと色がどの店舗にいくつあるかをiPadの画面に瞬時に表示してくれます。
iPad側でアプリを作って、MDシステムと連携させていました。
仕組みは簡単ですが、来店されたお客様にぴったりのサイズやお望みの色がなかった時に、今までは諦めていただくしかなかったのですが、在庫のある店舗から取り寄せて、後日来店していただけるようになりました。そうして販売機会を逃さなくなったのです。
このシステムは、店員にとても好評でした。今まで在庫がなくてお売りできなかったことがとても残念だったのですが、それがなくなり、自信を持って販売できるようになりました。
業務に密着したシステムの2つのパターン
ここで、業務に密着したシステムについて考えてみましょう。
業務に密着したシステムは、以下の2つのパターンがあります。
基幹システムがあることを前提とする基幹システムがあることを前提としない
前述の例だと、経費申請システムは基幹システムが不要で、商品在庫検索システムは必要ですね。
当たり前ですが、基幹システムが不要なものは、今すぐにでも導入できます。
業務に密着したシステムの見つけ方
ここであなたは、そういったシステムをどうやって見つけて、どうやって導入するのか? というところに疑問がわきますよね。
見つけ方は、現場の声です。
システム部門がきちんと運営されていれば、何らかの形で現場の声を聞いていると思います。店舗運営部と定期的にミーティングをしているとか、店長会に出席しているとかです。
そういったところで出てきた現場の声を分析して、システムで手伝えるところがないかアイデアを出してください。
このとき気をつけるのは、システムで100%解決しようとしないことです。あくまでシステムは人の行為を助けるものだという考えを崩さないでください。そうしないと使えないシステムが出来上がってしまいます。
ちなみに前述の商品在庫検索システムですが、実は既存のMDシステムでも全く同じことができました。しかし店員はいちいちバックヤードに戻って、パソコンで検索する必要があり、お客様をお一人で待たせてしまうことになるため、ほとんど使われていませんでした。
この商品在庫検索システムは、「お客様を待たせないで他店の在庫が知りたい。」という店員の声で開発が進められたのです。しかも、リリースしてみると、既存のMDシステムで検索できることを知らなかった店員もいて、より一層機会損失が減りました。
業務に密着したシステムの導入方法
システムのイメージができたら、次は導入方法です。
作るのか買うのか?
数年前までは作るしかありませんでした。でも今はほとんどの仕組みは買えます。作るよりも安くて、簡単に使えます。そうです、クラウドサービスです。
クラウドサービスは、インターネットを使ったサービスですので、インターネット上に必ず情報があります。
最近は、ネットで検索すれば、欲しいものはほとんど見つかります。
あなたが思いつくアイデアは、すでにたくさんの人が思いついていて、なおかつ実現させています。なので、それを使わせてもらいましょう。その方が開発期間がなくなる上に、導入に対するあなたの手間が大幅に削減されます。あなたが思いつかなかったアイデアが含まれていたりもします。
一方、作るという選択肢もあります。自社で作った方がきめ細かいサービスができます。
しかし自社で作るといっても、実際はベンダーに作らせるので、仕様変更やリリース後の改修などが簡単に行くことはほとんどありません。
なので私は、システムは基幹系も含めクラウドサービスで使えるものがあれば使い、なければ作る。というのが良いと思っています。
クラウドサービスのセキュリティの担保方法
あなたは、クラウドサービスと聞いて、セキュリティ面で心配が出るかもしれません。確かにセキュリティ面では注意する必要があります。最低限以下の確認は必要です。
その会社は信頼できるかサービスに対して、信頼できる第三者のセキュリティ診断を通っているかその会社が個人情報保護法を遵守しているか(Pマークなど)
セキュリティ診断を通していれば、通信やデータベースに格納されるデータは暗号化されています。
誠実な会社であれば、これらのことをきちんとやっていますし、ホームページを見れば大体どのような会社かわかります。社長のブログなどがあれば参考にします。あとはネットの評判などをみるのもよいでしょう。ただし、ネットは、好きなことが匿名で自由に言えるので、バイアスのかかっていない意見が見られる反面、書かれていることが真実であるとは言い切れないことを頭に入れておいてください。
まとめ
今回のテーマは、「基幹システムでは売上アップはできない!」でした。
少し長くなったので、おさらいしましょう。
業務システムには、2種類があります。「基幹システム」と「業務に密着したシステム」です。それぞれ以下の例を出しました。
基幹システム (=会社を運営する上で必要な規模の大きいシステム)
経理システム人事システムPOSシステムMDシステム
業務に密着したシステム (=コスト削減や売上アップに直接的に効果が見込めるシステム)
経費申請システム商品在庫検索システム
基幹システムは、会社を運営する上で必要なシステムですが、システムで直接的に売上をアップするのは難しいです。一方、業務に密着したシステムでは、システムが直接的に売上アップやコスト削減に貢献します。
業務に密着したシステムも、2種類に分かれます。
基幹システムが不要基幹システムが必要
その違いは、すぐに手をつけられるかどうかですね。
業務に密着したシステムの見つけ方は、現場の声を聞くという話をしました。当たり前と思うかもしれませんが、システム化を意識して現場の声を聞けば、何気ない会話からもヒントが見つかるかもしれません。
ここで重要なのは、アイデア出しです。どうやったらシステムが現場の業務をサポートできるか、頭をフル回転させてアイデアを考えてください。
システム化のヒントが見つかったら、次にシステムをどうやって導入するかです。
今までは作るしかなかったのですが、これからはクラウドサービスを活用しましょう。でも、クラウドサービスは特にセキュリティ面で懸念があります。
それを以下の3つの方法で解消します。
その会社は信頼できるかサービスに対して、信頼できる第三者のセキュリティ診断を通っているかその会社が個人情報保護法を遵守しているか(Pマークなど)
最後に
今の時代、基幹システムは必要不可欠で、会社にとってライフラインになっています。
ある程度の規模の会社は、基幹システムはあって当たり前なのです。
なので基幹システムに、会社の競争力を求める時代は終わりました。
これからは、現場の活動を支援するシステムが必要なのです。
それが、「業務に密着したシステム」です。
あなたも自社に最適な業務に密着したシステムを見つけ、自社の強みを生かして、さらなる成長を目指してください。
ちなみに、我々がご提供するWOMSは、業務に密着したシステムです。 なおかつ基幹システムが不要なものです。
なので、今すぐに導入できて、今すぐに効果が現れるものです。
あなたの、「業務に密着したシステム」の検討システムの一つに、ぜひ入れてください。 以下をクリックして詳細情報をご覧ください。
よろしくお願いします。